百名山のひとつ、大台ヶ原へ行ってきました!
天気はいまいちでしたが、印象的な風景の連続に興奮します。
大台ヶ原
大台ケ原のコースタイム
大台ヶ原 日帰り 3時間20分
大台ヶ原ビジターセンター(0:40)⇒日出ヶ岳(0:30)⇒正木ヶ原(0:25)⇒牛石ヶ原(0:25)⇒大蛇嵓(0:40)⇒シオカラ谷吊橋(0:40)⇒大台ヶ原ビジターセンター
大台ヶ原ビジターセンター(0:40)⇒日出ヶ岳(0:30)⇒正木ヶ原(0:25)⇒牛石ヶ原(0:25)⇒大蛇嵓(0:40)⇒シオカラ谷吊橋(0:40)⇒大台ヶ原ビジターセンター
169号線を北上し、新伯母峯トンネルを抜けてすぐ左折すると大台ヶ原ドライブウェイに入ります。
そこから車で道なりに走り、大きな大台ヶ原の駐車場に到着。
大台ヶ原ドライブウェイでは他の車をほとんど見かけなかったので、晩秋のこの時期は登山者はいないのだろうかと思ったのですが・・・駐車場にはすでにかなりの車が停まっていました。さすが百名山!
大台ヶ原散策スタート
反時計回りに、大蛇嵓から正木ヶ原の木道を歩き日出ヶ岳のルートも考えましたが、雲行きに不安を覚えたので、まずは大台ヶ原の最高峰を登ってしまおうという事になりました。
ビジターセンター側の登山口から、まず標高1695mの日出ヶ岳を目指します。
登山道入り口には、ツキノワグマの生息地である大台ヶ原山系を歩くにあたっての注意を促す看板が。
百名山でしかも比較的登りやすい山は、登山初心者が多く来訪してくるだろうから、こういう注意喚起の看板はなるだけ多い方が良いですよね。
トウヒとウラジロモミ
遊歩道のような道を歩きます。登山道には大台ヶ原関連の情報が書かれた看板が点在していて、展望が無くても飽きずに森林の中を歩けるようになっていて楽しい。
この大台ヶ原一帯に生えている樹木の代表がトウヒとウラジロモミで、どちらも見た目がそっくりで判別が難しいんですが、よく観察すると違いが見えてくるという。
球果の付き方が、トウヒは下向きでウラジロモミは上向き。葉の特徴は、トウヒは先端が尖っていてウラジロモミは先端が2つに分かれている。
しかもウラジロモミはその名の通り、葉の裏側に白っぽい線がはいっているそう。他にも枝や幹にもそれぞれ違いがあるみたい。
しかし丁寧に説明が書かれているにもかかわらず、結局トウヒなのかウラジロモミなのかいまいちよくわからない私たち。
大台ヶ原の湧き水
登山道の途中に水が沸いている場所があり、それがとてもきれいに澄んだ水でした。
大台ヶ原で降った雨は、すべてが麓に流れ下るわけではなく、林の下の落ち葉や土に貯えられて少しずつ流れていきます。
そのように貯えられた雨水が湧き出していて、この湧き水を野生動物や昆虫が飲みに来ることがあるそうです。
大台ヶ原の小鳥たち
この大台ヶ原には、綺麗な青色のルリビタキやオオルリや、丸くて可愛らしいミソサザイ、ヒガラ、コマドリなど様々な種類の小鳥が生息しています。
その小鳥の写真を撮るためなのか、カメラを担いだお父さんたちの姿も多かったな。遊歩道の幅いっぱいに三脚広げてファインダーを覗いている人もいたが、さすがに歩行者が近づいたら少しは脇に寄ってもらいたいものです。
ただ、それだけ夢中になれるものがあるというお父さんが、なんか少し羨ましくもあります。
展望台
ビジターセンターから30分ほど歩くと展望台に出ました。
この展望台からは熊野灘、尾鷲湾、志摩半島や知多半島が見えるらしいのですが、この日はあいにくの天気で確認できませんでした。
海は見えませんでしたが、雲と山並みの景観がモノクロで素晴らしかったな。
大台ヶ原は雨や霧が多い場所として有名で、この展望台からの海や半島の眺めも見えないことが多いそう。
海から湿った空気が吹き上げて、大台ヶ原に直接ぶつかり上昇気流になるために雨や霧が出やすいようです。
展望台の左に見えるのが日出ヶ岳で、木製の階段が山頂に続いています。
木道が濡れていたので、気を付けながら日出ヶ岳の山頂へ向かいます。
日出ヶ岳山頂
標高1695mの日出ヶ岳山頂に到着。周囲はガスで真っ白だけど仕方ない。
日出ヶ岳山頂には2階建ての展望台があり、1階部分が落雷から身を守るための避難場所になっています。
雨降りの時の休憩所としても使えるので、登山者にとっては非常にありがたいスペースですね。避難小屋と展望台が合体してるとこって、意外とないんじゃないか。
展望台2階部分からは、晴れていれば西側に大峯山系が、東には乗鞍岳や御嶽山、木曽駒や恵那山、さらに富士山も見えるらしいよ♪
日出ヶ岳山頂からは大杉谷登山コースにも進めるが、毎年滑落などの事故が多発する中級者向けの登山コース。
初心者用に「この先、大杉谷」「大台ヶ原は戻れ!」と大きな看板が設置されてます。
正木峠
日出ヶ岳から正木ヶ原へ向かうよ。
日出ヶ岳から正木ヶ原へ向かう途中の木道に、大きな熊除け用の鐘がありました。人の気配がない時は、とりあえず鳴らしておきましょう。
正木峠の木道沿いはたくさんのツツジが咲くそうなので、花のシーズンにまた来てみたいな。
ベンチもあるので、天気が良ければ気持ちいい場所だろうと思いながら木道を歩いて行きます。
正木峠は、笹原に立ち枯れの樹木が点在する独特な光景の場所です。
正木峠周辺は、かつてトウヒやウラジロモミなどの針葉樹の森林が広がっていました。
しかし昭和30年代の伊勢湾台風などの影響で、大台ヶ原のたくさんの樹木が倒れ、その倒れた樹木を搬出したことがきっかけとなって、林床が乾燥して苔類が大幅に減少します。
乾燥化した林床にミヤコザサが覆うようになり、樹木の発芽や生育の条件が悪化。鹿が増え下層植生が食べられ、これらの要因から正木峠の現在の光景が誕生してしまいました。
たった数十年で、ここまで風景が変わってしまうことに驚きます。
ただこの独特な光景は大台ヶ原の今であり、個性となってこの場所に存在しているんです。儚さもあり、美しさもある大台ヶ原の風景でした。
大蛇嵓の迫力
正木ヶ原から尾鷲辻を越え、広々とした笹原の木道を抜けると牛石ヶ原に着きます。
立派な神武天皇の像が建っています。休憩用のベンチがあれば嬉しいところですね。
大蛇嵓の分岐に到着。ここから20分ほど痩せ気味の登山道を下っていきます。
右側の切り立った岩壁が視界に入ってくるぞ。木製の梯子を上った先の光景を見て、思わず声が上がります。
まさに大蛇のような岩状の道が続いていました!何気に勾配もあり、若干腰が引けてしまいます。
柵のある先端まで行くと、そこはもう大絶景の大蛇嵓。紅葉の時期が綺麗そうだ。
石鎚山の鋭角なビジュアルに似ていてカッコいい♪
背後には大峯山系がならび、かなり贅沢な構図になっています。
最初は腰が引けていましたが、3分後には慣れました。岩場での足取りも軽やかになっていきます。
大蛇嵓からシオカラ谷へ
大蛇嵓の絶景を堪能しながらランチを食べ、腹を満たし駐車場へ向かい歩きだす。
途中に鎖場もあったり、多少急峻な登山道だが基本的に歩きやすい。シャクナゲが咲くエリアもあり。
シオカラ谷には大きな吊橋がかかっていて、その下を流れる川の水が透き通っていて綺麗だった~。
シオカラ谷吊橋を渡ると急坂の登りになります。
心・湯治館という建物が見えてくれば、大台ケ原の駐車場まであと少し!
大台ヶ原は登山だけじゃない
大台ヶ原ビジターセンター
大台ヶ原の駐車場に着き、荷物を下ろしてビジターセンターを見学してみた。
大台ヶ原の自然に関する情報や、熊に会った時の対処法など見所満載で楽しい。
大台ヶ原の言い伝えの話もいろいろあって面白かった。
山で突然身体が動かなくなる現象は「ヒダルガミ」と言われ、邪心を持つ人間に森の精霊が忠告しているという話。とりつかれた人はご飯を一粒食べれば治るという。
シャリバテではなく、あくまでもヒダルガミね。
上北山村物産展
上北山村物産展では物産品以外にも食堂が併設されていて、モンベルがプロデュースするスパイスカレーとエスニックおやきが食べられます。
バス待ちの中学生男子3人組が、美味しそうにうどんを仲良く食べている姿が微笑ましかった。
大台ヶ原、いい山でした~(^^♪