美仏といえば浮かぶのが奈良の聖林寺にある十一面観音菩薩像ですね。観音堂もリニューアルしたという事で、十一面観音菩薩像に会いに行ってきました。
聖林寺
聖林寺の基本情報
聖林寺
633-0042奈良県桜井市下692
0744-43-0005
拝観時間 9時から16時30分
定休 年中無休
駐車場 あり(300円)
聖林寺の駐車場から本堂へ向かいます。駐車場の料金は300円で、受付で支払います。
聖林寺のこの全体の雰囲気がもう素敵。自然と人工物の調和がグッとくる要因なんだと思う。なんか城っぽくも感じるな。
階段を上り拝観受付を済ませ、まずは聖林寺の本堂へ。聖林寺は奈良時代の和同5年(712年)に、藤原鎌足の長子である定慧(じょうえ)が建立したと言われています。
本尊の子安延命地蔵菩薩像
聖林寺のご本尊は丈六の石仏である子安延命地蔵菩薩像です。江戸時代中期に作られた、安産・子授けの祈願として有名。
子安町延命地蔵菩薩の脇侍には、向かって左に掌悪童子、右には掌善童子が並び、地藏三尊の並びになりますね。
本堂には他にも、室町時代に作られた如来荒神や、鎌倉時代の作品である網が如来坐像や毘沙門天立像も安置されています。
十一面観音菩薩像と対面
本堂からいよいよ十一面観音菩薩像が安置されている観音堂へと向かいます。
2021年に新しくリニューアルされた観音堂は、免震機能を持った耐震性のある収蔵庫。今後も国宝級の仏像は、聖林寺みたいな形で保存されていくのでしょうね。
入口の扉を開けると前室があり、さらに歩を進め十一面観音菩薩像と対面・・・
おっ!あまりのオーラに驚き、いったん入口に戻り呼吸を整えます。「オーラがやばいよ。早くおいで」と祐太を呼び寄せ、二人で一緒に十一面観音菩薩像と改めて対面・・・
素晴らしすぎる十一面観音菩薩像
おお!素晴らしい。神々しい。ラスボス感がエグい。観音堂は十一面観音菩薩像を全角度から拝むことが可能な有難い構造になっています。正面から見ると腰がキュッとくびれて美しいプロポーションだけど、横から見ると結構ごつく厚みがありました。
聖林寺の十一面観音菩薩像が造られたのは760年代だそう。作者は誰なんだろう、素晴らしい作品。天平時代の1868年に大御輪寺から移された十一面観音菩薩像は、フェノロサや岡倉天心らに世に出され、ミロのヴィーナスとも比較される仏像彫刻の傑作。
本来は光背もあったみたいで、その光背はかなり華やかで見事なものだったそうです。本堂から観音堂に飾られている釣灯籠には、十一面観音菩薩像の光背の一部がデザインされています。
現在は聖林寺で一体のみの十一面観音菩薩像ですが、かつては四天王に守られて左右に多くの仏像が並んでいたそう。そのシチュエーションも見てみたかったな。
聖林寺観音堂の照明が凄かった
聖林寺の観音堂は「照明デザイン賞」の優秀賞にも輝いていて、十一面観音菩薩像を光が優しく包み照らされています。この演出が十一面観音菩薩像の芸術性をさらに高めています。
観音堂は心地よく、ずっと居られるような空間。こういうお堂はだいたい寒いものですが、聖林寺の観音堂は適温をキープで寒くない。最新設備を駆使したスペースになっていました。
座る場所もあって、十一面観音菩薩像をぐるっと眺めた後ひと息付けます。ひと息ついたらまた立ち上がって観音様の周囲をグルグルと周り、もう無限ループです。
聖林寺は最高の寺だった
十一面観音菩薩像に魅せられて、観音堂にかなり滞在していました。十一面観音との時間の余韻に浸りながら、渡り廊下を歩き再度本堂へ。
この日は曇っていましたが、ここから三輪山が見える絶景スポットだそう。見えなかったとしても、のどかな風景に癒されます。
聖林寺はどの季節に来ても最高でしょう。いい寺はたくさんあるもんだよな~。奈良は本当に奥が深い。
聖林寺からは凄いパワーを感じました。他にも近場で寺巡りしようと思ったけど、もうお腹いっぱい。大満足の聖林寺でした~(^^♪