泉涌寺道を歩いてきました。お目当ては「楊貴妃観音像」と「仏像のオーケストラ」でしたが、それよりもインパクトのある仏像との出会いがありました。
真言宗泉涌寺派の総本山「泉涌寺」と、準別格本山の戒光寺と即成院を拝観します。
泉涌寺
泉涌寺の基本情報
泉涌寺
605-0977京都府京都市泉涌寺山内町27
075-561-1551
拝観時間 9:00~17:00
※冬季は9:00~16:30
拝観料 大人500円
駐車場 あり(無料)
楊貴妃観音像
重要文化財の大門から入って左奥にある堂内に安置されているのが「楊貴妃観音像」です。
1230年に南宋から請来した木像。ずっと見ていられそうな穏やかな姿の楊貴妃観音像。
口元に描かれたヒゲのような線は「口の動き」を表しています。とても綺麗なお顔で、彩色もかなり残っています。美人祈願の観音様としても有名だよ。
楊貴妃観音像との距離が結構あるので、もう少し近くで拝観できるとものすごく嬉しいですね。
運慶作と伝わる三尊仏
大門からまっすぐ進むと仏殿があり、内部には阿弥陀・釈迦・弥勒の三尊仏が安置されています。この三尊仏があの運慶の作品だと伝わっているそう。
仏殿の天井に描かれた「雲竜図」や、本尊の背後の「飛天図」、後ろの壁に描かれた「白衣観音」はどれも狩野探幽の作。
戒光寺
戒光寺の基本情報
戒光寺
京都府京都市東山区泉涌寺山内町29
075-561-5209
拝観時間 9:00~17:00
丈六戒光寺のHP⇒http://www.kaikouji.com/
運慶親子の丈六仏
戒光寺の本尊は「丈六釈迦如来像」で、なんと運慶・湛慶親子の合作だそう。鎌倉時代に造られた木像の寄木造で、重要文化財に指定されています。
釈迦如来像を拝観するのに料金はかかりませんが、拝観料を支払うとお堂の内部に入ることができ、釈迦如来像をさらに間近で拝むことが出来ます。
釈迦如来像の大きさは約5,4mで、台座と光背を入れると約10mの高さ。釈迦如来像の大きさに驚かされますが、光背の迫力も凄まじく、釈迦如来像を頭から飲み込むかのようなデザイン。これは見る価値あり!
身代わりのお釈迦様
釈迦如来の喉元から血のようなものが流れているように見えます。
これは戒光寺の発願者である後水尾天皇が、即位争いに巻き込まれ刺客に寝首をかかれた時に、この釈迦如来が身代わりになってついた跡だという言い伝えがあります。
身代わり釈迦如来として「丈六さん」と親しまれているそう。関西って「えべっさん」とか「うっさん」とか、仏様との距離が近い感じがいいよね。
丈六さんを守る防火カーテン
釈迦如来像の頭上にはNASA製だかちょっと忘れましたが、大きな銀色の防火カーテンが設置されていて、火災を検知すると防火カーテンが緞帳のように下りてきて、釈迦如来を火災から守ります。
防火カーテンが設置された仏像は、全国でも戒光寺の釈迦如来像だけみたい。大きすぎて簡単には移動できませんからね。
釈迦如来像のある内陣の左右の壁には「お釈迦様一代記」という絵が貼られ、釈迦如来像の後ろ側には「不動明王像」や「曇照忍律上人坐像」などが安置。
釈迦如来が使用した大きな数珠は直接触れることができ、ご利益を授かることが出来ます。ありがたいね~
即成院
即成院の基本情報
即成院
605-0977京都府京都市東山区入選時山内町28
075-561-3443
阿弥陀如来と二十五観音
「仏様のオーケストラ」で有名な阿弥陀如来像と二十五菩薩像は、即成院の寺伝によると1094年に恵心僧徒によって造られたそうなんですが、近年の研究によると定朝と弟子による作品とされています。
即成院の仏像を拝観。BGMが堂内に響き、まさに仏様のオーケストラを鑑賞してるかの様!
死の間際に阿弥陀如来と二十五菩薩が迎えに来て、極楽浄土に導いてくれると言われています。演奏と仏さんの表情を眺めていると、臨終の際の光景がイメージできるような不思議な感覚になります。これなら死も怖くないな。
とにかくリラクゼーション効果が凄まじいです。ちょっと眠くなります。
阿弥陀如来坐像の高さは5.5mで二十五菩薩像は150cm。出来るならもう少し近くで見てみたいなと思いましたね。
那須与一の墓
平家物語に登場する屋島合戦の英雄といえば「那須与一」です。
義経の奇襲を受け逃げ出す平氏が、船首の扇を射ってみよと挑発。義経に命じられた与一が、見事に扇を射抜いたという伝説の武将。
阿弥陀様を信仰し、体調を万全にし精神を集中させたことで、扇の要を射ることが出来たそうです。
そんな那須与一は即成院で亡くなり、境内には供養塔がありお参りすることが出来ます。
泉涌寺通を歩くと余裕で一日かかる
今回は泉涌寺から戒光寺と即成院を歩いて拝観してきました。
歩くにも丁度よい距離ですが、仏像に夢中になってしまうとあっという間に時間が過ぎちゃうので注意です。
途中には今熊野観音寺もあるので、たっぷり一日かけて泉涌寺周辺を歩くのが良いかも(^^♪