運慶の仏像を訪ねて静岡県の願成就院へ行ってきました。
願成就院
願成就院の基本情報
願成就院
静岡県伊豆の国市83-1
055-949-7676
拝観料 800円
駐車場 あり(無料)
願成就院は1189年に頼朝夫人、北条正子の父である北条時政が、奥州藤原氏討伐を祈願して建立された建物です。門の隣に駐車場があり、駐車料金は無料です。
以前はもっと敷地が広く、大きな池もあったそうですね。東北平泉の毛越寺を模した伽藍構成で、毛越寺や京都の浄瑠璃寺などの浄土様式の貴重な遺構とされています。
敷地内には地蔵様や石仏が並んでいます。
拝観受付で拝観料は800円。願成就院の受付は男性の外人さんで、壁に可愛いワンちゃんの写真が貼られていました。彼の愛犬だそうで、いきなり癒されます。
阿弥陀如来坐像
願成就院の堂内にはボランティアガイドの方がいて、運慶仏に関する事や願成就院の事などを丁寧に教えてくれます。
願成就院には、運慶35歳ごろに作られたという仏像が5体安置されています。東日本に残る運慶仏としては最古だそうです。5体の運慶仏は鎌倉初期に作られていて、すべて国宝指定。
中央に阿弥陀如来坐像がどっしりと座っていらっしゃいますね。目元は修復したそうですが、各地でよく見る阿弥陀如来様のお顔とはまた違う表情に感じます。
光背は最近新しく作られたもので、以前は光背が無い状態で祀られていたみたいです。毘沙門天像と不動明王像の配置も左右入れ替えたようで、本来の配置が今の配置だったのではないかと、ボランティアガイドさんが熱心に教えてくれました。
不動明王立像と二童子
阿弥陀如来坐像の右側には不動明王像が。激しい形相に逞しい肉体の不動明王様の脇侍には二童子が守ります。
右側にいるのは矜羯羅童子で、少し臆病な性格だそう。綺麗な瞳で前方を見ています。不動明王像の左には制多迦童子が、何ともヤンチャな顔つきで力強く感じます。
毘沙門天立像
阿弥陀如来坐像の左に安置されているのは毘沙門天立像。願主の北条時政をモデルにしたそうで、ごつい鎧を身にまとい、表情も力強い。
餓鬼が毘沙門天に思いっきり踏まれていて、助けを乞うているのか毘沙門天の持つ杖先を餓鬼が握ってしまっています。
この餓鬼の動きも運慶の遊び心なんでしょうか。餓鬼もいろいろなパターンがあるので見ていて楽しいです。
政子地蔵菩薩像
いかした運慶仏を拝観したあと、宝物館へ向かいます。館内には北条正子を表現したという「政子地蔵菩薩像」が安置されていて、貫禄がありながらも優しい表情に癒されます。
政子地蔵菩薩の左には、北条時政の味のある仏像がありました。
塔婆形銘札
国宝の塔婆形銘札は、毘沙門天像と不動明王像の胎内にあったもので、矜羯羅童子と制多迦童子の胎内からもそれぞれ見つかっていて、この像が運慶作であることが記されています。
受付のお姉さんにもう一体の阿弥陀如来像はどこに安置されているのか尋ねると、現在は未公開で奥の本堂に安置してあるとのこと。
願成就院で運慶を感じよう
鎌倉初期の運慶仏がこんな綺麗な状態で残っているとは驚きでした。とにかく若い頃の運慶作を近くで感じられるのが最高です。
ボランティアガイドさんも運慶と願成就院について丁寧に説明してくれるので、予備知識が無くても楽しめると思います。
願成就院の裏には展望台もありましたが、ちょっと小高い山の上にあるので、今回はパスで~(^^♪