【文珠五尊像】秋篠寺の伎芸天立像と西大寺の善財童子に癒される【餓鬼】

2024/01/01

奈良

秋篠寺の本堂

大和西大寺駅から歩いて秋篠寺と西大寺を歩いてきました。今はグーグルマップがあるから、迷わずに目的地に行けるので、本当に便利な世の中になったよ。

秋篠寺

秋篠寺の基本情報

秋篠寺
631-0811 奈良県奈良市秋篠町757
0742-45-4600
拝観時間 9:30~16:30
拝観料金 500円
駐車場 7台(無料)

秋篠寺の苔

大和西大寺から秋篠寺まで秋篠寺への看板も所々にあって嬉しい。大和西大寺駅からだいたい20分ぐらいで秋篠寺の東門に到着。

焼失してしまった金堂跡周辺には、綺麗な緑色の苔のジュータンが広がっています。

秋篠寺の苔

秋篠寺の苔むしたこの光景も名物のひとつですね。ちょっと小雨が降った後だったので、雨露が輝いて幻想的でした。

赤い鬼灯のような可愛い実をつけた木があったけど、あれは何の実だったんだろう。

大元堂と役行者

秋篠寺の受付で拝観料500円を納め境内へ。

秋篠寺の大元堂

左に大元堂があり、堂内には秘仏の大元師明王立像が安置されています。鎌倉時代に作られたとされていて、毎年6月6日に開扉されます。

お手洗いの手前には役行者の石仏が。今年も楽しい山旅ができますように。

秋篠寺の役行者

本堂の伎芸天立像

秋篠寺の本堂に向かいます。本堂は鎌倉時代の建築だと言われていますが、様式的には奈良時代の伝統を生かした純和様建築として注目されています。

伎芸天が安置されている秋篠寺の本堂

本堂内部へ入ると横に秋篠寺の仏像がずらっと並んでいて、いきなり手前にお目当ての伎芸天立像が!

音楽などの芸事を司る伎芸天立像は、秋篠寺の象徴ともいえる存在。昔は各地で伎芸天信仰はあったそうですが、現在は伎芸天立像は日本で秋篠寺にしかないそう。

横並びの仏像群の中央に安置されているのが、秋篠寺のご本尊である薬師如来像。重要文化財で鎌倉時代末期の作品と言われています。

薬師如来の脇侍には日光菩薩と月光菩薩、そして周囲を十二神将が守っています。この十二神将立像がよくできていて、タッチは室生寺の十二神将に近いですね。表情も豊かで見ていて楽しい。

十二神将の横に安置されているのが不動明王立像で、険しい表情に力強い肉体。

その隣には帝釈天立像。帝釈天はインド教に於ける軍神で昔から様々な形でインド神話に現れる有名な大神です。男らしいガッチリとした体形は、反対側に立つ伎芸天の柔らかな女性的な体つきとは対極になっていて興味深いです。

その隣には愛染明王像と、なかなかのラインナップな秋篠寺本堂の仏像。かなり間近まで近寄って拝観できるので、いろんな角度や距離で鎌倉彫刻を堪能できます。この秋篠寺もずっと居られるような空間だったな。

歴史の道とケーキ

秋篠寺から西大寺へ向かいます。

歴史の道

秋篠寺の南門を南にまっすぐ歩いて、途中で看板通りに左折して土塀の道を進めば、大体20分ぐらいで西大寺に着くでしょう。西大寺の土塀も味がありますよね。

西大寺の土塀

西大寺の入口付近で行列の出来ている店がありました。この辺で評判のケーキ屋さんの様です。どれも美味しそうなケーキでしたが、厳選して2つ選び購入。美味しかったよ。

ケーキ

ガトー・ド・ボワ A LA MAISONのHP⇒https://www.gateau-des-bois.com/

西大寺

西大寺の基本情報

西大寺
奈良県奈良市西大寺芝町1-1-5
0742-45-4700
拝観時間 8:30~16:00
拝観料 本堂400円・四王堂300円・愛染堂300円
駐車場 あり(300円)

西大寺の入口

東の東大寺に匹敵する大きさを誇っていた西の大寺である西大寺。

西大寺は本堂、愛染堂、四王堂と3か所それぞれ拝観料がかかりますが、全部のお堂を拝観する人は「三堂拝観共通券」を購入するとよいです。

西大寺本堂と三堂拝観共通券

本堂の文殊五尊像

まずは西大寺の本堂から。広い本堂内部の中央に安置されているのは需要文化財の釈迦如来立像。向かって右側には同じく重文で丈六の弥勒菩薩座像が。弥勒菩薩の近くに安置されている地蔵菩薩立像も、雰囲気があって良かったな。

そして本堂の主役はなんといっても文殊菩薩騎獅像と四侍者像でしょう。凛々しい文殊菩薩様と愛くるしい獅子。

文殊菩薩の四侍者は、獅子の手綱を手にする優填王(うてんのう)、その後ろに仏陀波利(ぶっだばり)三蔵、善財皇子とその後ろの最勝老人という布陣。この五人衆は「文珠五尊像」と呼ばれています。

兎の眼をした善財童子

この文珠五尊像で一番気になってしまう存在は、やはり善財童子ですね。

ユーモラスな安倍文珠院の善財童子とはまた全然違う表情で、西大寺の善財童子はもっと純粋な感じ。あまりミスをしないで、しっかり文殊菩薩様の言う事を守りそう。安倍文珠院の善財みたいな「おっちょこちょいさ」を余り感じないな。

西大寺の善財童子は、灰谷健次郎「兎の眼」にも登場する有名人。文珠五尊像の前には丁寧にその小説が置いてあり、善財童子の登場シーンに付箋が貼られています。 

善財童子の眼は少し赤みを帯びてキラキラしてて、ホント綺麗な眼だったな。素晴らしい像です。

愛染堂の愛染明王

本堂の西側にあるのが愛染堂で、愛染堂の本尊で秘仏の愛染明王坐像が祀られています。

西大寺の愛染堂

秘仏の愛染明王は、座高が31.8cm。人の煩悩や欲望を浄化して、正しい生命力に変える密教の極意を表しているそう。

「元寇の役」の際に、愛染明王坐像の願主である叡尊が祈祷した最終日に、愛染明王の持つ矢が西の空に放たれ神風を起こした敵を撤退させたという伝説が!これが「神風」や「破魔矢」の語源と言われています。

秘仏の公開は1月15日から2月4日、10月25日から11月15日の年2回で、公開日以外は愛染明王の模造が安置されています。

四王堂の餓鬼

西大寺で最初に造営されたのが四天王を祀った四王堂です。なので四王堂は「西大寺はじまりのお堂」とも呼ばれています。

四王堂の本尊は十一面観音菩薩立像で、その四方を囲んでいるのが四天王像。

西大寺はたびたび罹災して再造されていますが、四天王に踏まれている邪鬼だけは創建当初のまま。邪鬼4体が西大寺でいちばん古い像なんです。邪鬼の踏まれている様子が良く見える柵の造りになっていて、4体の邪鬼の味わい深いポーズがしっかりと楽しめます。

内陣の裏には、令和2年に奉納された「せんとくん」作者の制作した、道鏡禅師像が安置。

大和西大寺駅から歩いての寺巡りはオススメ

今回は大和西大寺から秋篠寺と西大寺を歩いて周りました。

奈良駅を拠点にして、のんびり電車で寺巡りもいいものですね。徒歩ならではの発見もありなかなか楽しいですよ~(^^♪

近鉄の車内


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