計画を立てると大体その日が悪天候になったりと、なかなか行けなかった仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳ついに行ってきました。
南アルプスは北岳以来で、テント泊も久しぶりです。天気予報は2日連続の快晴。いったいどんな風景が待っているのか・・・
期待に胸を膨らませながら、夜中の内に南アルプスの夜叉神峠へ向かいます。
夜叉神峠から北沢峠
夜中の1時頃、夜叉神峠に到着。ここからはマイカー規制で、自家用車は先へ進めないためバスに乗り換えます。バスは朝の5時発車なので、それまで休みます。
少し寝過ごしました。まあシーズンだし、バスの増便もあるだろうと考え、余裕で5時過ぎにバス停に向かうと、増台した10台以上のバスがすでに出発した後でした。南アルプスのような人気の山で余裕かましてたら痛い目に合いますんで注意してくださいね。
結果、しばらくタクシーが来るまで待つことに。6時半頃、登山客を乗せたタクシーがぞくぞくと夜叉神へ戻ってきました。まずは広河原まで行き、そこから再度乗り換えて北沢峠まで行きます。
車酔いする人は注意!
このタクシーはバスより10分ほど早く広河原に着きます。バスと違いスピードもかなり出ます。ただ小回りが利き、とにかく猛スピードで山道を走るため、車酔いする人にとっては地獄のような乗り物です。
これには本当に参りました。45分、ノンストップでスピーディーにクネクネと山道を行くわけです。ただひたすらリュックを抱き、身を固くし、孤独な「車酔い」との戦いになります。
広河原から北沢峠
なんとか広河原に到着。着いてからも、しばらく動けません。しかし、ここから先の北沢峠まではバス移動です。休む暇もなく、ボロボロの状態のままバスに乗り込み北沢峠に向かうことになりました。
30分ほど揺られて、なんとか北沢峠到着。タクシーよりは揺れが少なかったものの、やはり辛かった。
降りてからしばらく動きたくありませんでしたが、「テント張る場所が無くなるから早く行かないと」真顔のバッシーが休む暇を与えません。フラフラになりながらテント場へ向かいます。まだ山に登ってないのにもかかわらず、疲労はピークに達してしまいました。
車に弱い人は安易にタクシーに乗るのは危険なので、本当に注意してくださいね。酔う人は出来るだけ早く起きて、5時発のバスで広河原に向かってください。
仙丈ケ岳
仙丈ケ岳コースタイム
9:15 北沢峠 ~(40分)~
9:55 2合目 ~(40分)~
10:35 4合目 ~(25分)~
11:00 大滝ノ頭 ~(60分)~
12:00 小仙丈ケ岳
12:50 小仙丈ケ岳 ~(45分)~
13:35 仙丈小屋分岐 ~(25分)~
14:00 仙丈ケ岳
14:40 仙丈ケ岳 ~(90分)~
16:10 大滝ノ頭 ~(60分)~
17:10 北沢峠
【total 7時間55分】
北沢峠から小仙丈ケ岳へ
ボロボロな状態のまま10分ほど歩き、テントを設営。
ある程度体調も回復してきました。さあ、仙丈ヶ岳を目指します!
樹林帯を歩き、5合目を越え、いよいよ周囲の山々が見えてきました。北岳、鳳凰三山、そして甲斐駒ケ岳。
北岳との初戦は、余裕などいっさい無くヘロヘロになりながらの登頂でした。大樺沢二股から八本歯のコルが遠くて遠くて仕方なかった。
初めて登った南アルプスの山は鳳凰三山でした。やはり画になる山です!明日に登る甲斐駒ケ岳も存在感が凄い!
小仙丈ヶ岳に到着。素晴らしい光景が眼前に広がる。これから登る仙丈ヶ岳山頂付近も見える。やっぱり天気は重要だなと改めて思いますね。
ここで昼食なんて、最高のランチだよ。さあ、頂上へ向かおう!
仙丈ケ岳山頂
一気に仙丈ケ岳の山頂を目指し歩く。ついに登頂した仙丈ケ岳山頂からの眺めも文句なし!
仙丈ケ岳の山頂では、缶ビールを飲みながら景色を堪能してる山男たちが。すぐ近くの仙丈小屋に泊まる予定らしく、最高の景色を肴にお酒を楽しんでいました。
彼らはこれから日の入りまで、この仙丈ケ岳の山頂を満喫できるのか~。羨ましいぞ~。次回は必ず仙丈ケ岳で小屋泊しよう!
仙丈ケ岳から北沢峠へ
最高の風景に名残惜しみながら下山。予定より1時間遅くなってるんで、少し早足で。ただ眺めが良すぎて、ついついカメラをいじる。どうせ同じような写真だというのに困ったもんですよ。
かなり降りた辺りで、夕陽に照らされ黄金色に輝く甲斐駒ケ岳が見えた。あの山頂のおっちゃん達は、今頃最高の光景を前に美味い酒を飲んでるんだろうな。いい顔してたもんな。
鳳凰三山も北岳も富士山も良く見える。下りたくなくなる景色です。
予定より1時間遅れたが、なんとか明るい内に北沢峠のテント場へ到着。
今日味わった最高の景色を思い返しながら、念願だった仙丈ヶ岳登頂を達成しバッシーとビールで乾杯!さあ、明日は甲斐駒ケ岳だ! 楽しみ~
甲斐駒ケ岳
甲斐駒ケ岳コースタイム
4:40 北沢峠~(40分)~
5:20 北沢駒仙小屋~(40分)~
6:00 仙水峠~(115分)~
7:55 駒津峰~(35分)~
8:30 摩利支天分岐~(60分)~
9:30 甲斐駒ケ岳
10:25 甲斐駒ケ岳~(80分)~
11:45 駒津峰~(70分)~
12:55 仙水峠~(30分)~
13:25 駒仙小屋~(25分)~
13:50 北沢峠
【total 9時間10分】
寒いんでチラ見で済ませたけど、夜中は満天の星空。今日も晴れるぞ。たまにテントの外から聞こえる歓声を聞きながら、また寝る。
北沢峠~仙水峠
暗いうちに出発!意外とみんな余裕なのか、駒仙小屋からのお兄さん達の他には誰とも会わずに仙水峠へ向かった。日の出が近いので急ごう。
おお、もう甲斐駒ケ岳が太陽に照らされ赤く輝いていますよ!なんて光景なんだ~!来てよかった~!
この峠を右に行くと、宇多田ヒカルがCMで登った栗沢山ですね。栗沢山にもいつか登って甲斐駒ケ岳を眺めてみたいな。さあ、早く甲斐駒ケ岳山頂へ向かいましょう!
仙水峠~駒津峰
仙水峠から駒津峰の一般的なコースタイムは1時間だそうですが、登ってる最中に視界に入ってくる絶景のせいで倍の時間がかかりました。昨日と同様に同じ写真ばかり何枚も撮ってしまうため、全く先に進まない状態。もうこれはしかたないって!
この時点でバスの時間は気にせず、とにかく甲斐駒ケ岳を楽しもうと決めます。摩利支天分岐では、一気に甲斐駒山頂へ駆け上る「直登コース」と、のんびりアルプスを眺めながら登る「まき道コース」が選べます。
やはりここは荒々しく直登で行きたかったのですが、バッシーとの協議の結果、アルプスのんびりコースから山頂を目指すことにしました。結果、このコースの方が良かったかな。じっくりのんびり南アルプスの風景を眺めながら歩けるからね。
甲斐駒ヶ岳の山頂
そしてついに山頂。写真で見た祠もあり興奮!やはりなんといっても大パノラマな絶景!
昨日登った仙丈ケ岳もバッチリ見えます!八ヶ岳もいい感じ!
昨日の最悪なバス地獄を耐えた天からの褒美なのだろうか。快晴で風も無く、陽射しもちょうど良い。
食べるものも食べ、雄大なアルプスの景色を眺めながら気持ち良すぎて少し眠くなる。名残惜しいが、そろそろ下山だ。
甲斐駒ケ岳~駒津峰
背中に甲斐駒ヶ岳を感じながら、来た道を下っていきます。圧が凄い!
下山の途中、登山道で横になり動けなくなっているお母さんが。旦那さんがヘリを呼んだらしく、しばらくしてヘリが到着。
場所や風の影響か、何度かホバリングを試みていたようだったが、無事に救助されたようでひと安心。僕たちも気を引き締めて下りの道を行きます。
駒津峰~北沢峠
北沢峠に到着。テントを片付けバス停に向かうと、時刻表にない臨時便のバスが待機していました。
バスの発車する時刻は決まっているが、シーズン期間などはバス停に乗る定員が揃うと、今回のように臨時便が出ることもあるみたいです。なのでバスに乗り遅れても、とりあえずバス停には行ってみた方が良いですよ。
最高の2日間
満を持して登った仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳は、まさかの2日連続の快晴という、最高のシチュエーションを用意して僕たちを迎えてくれました。
バスが酔うから嫌だとか言ってる場合じゃないな。揺れを必死に我慢する価値ありな絶景に出会えるんだから。最高の南アルプスを堪能した2日間でした!