世界遺産の大峯奥崖道から八経ヶ岳へ向かいます。
大峯奥崖道は、吉野と熊野本宮を結んだ、約170㎞にも及ぶ厳しすぎる修行の道。この登山で何かを悟ることが出来るのか。
大峯奥崖道
八経ヶ岳コースタイム
八経ヶ岳 日帰り 6時間10分
行者還トンネル西口(1:00)⇒奥崖道出合(1:10)⇒理源大師像(0:50)⇒弥山小屋(0:30)⇒八経ヶ岳(0:25)⇒弥山小屋(0:35)⇒理源大師像(1:00)⇒奥崖道出合(0:40)⇒行者還トンネル西口
行者還トンネル西口(1:00)⇒奥崖道出合(1:10)⇒理源大師像(0:50)⇒弥山小屋(0:30)⇒八経ヶ岳(0:25)⇒弥山小屋(0:35)⇒理源大師像(1:00)⇒奥崖道出合(0:40)⇒行者還トンネル西口
行者還トンネル
吉野から169号線を西へ走り、309号線へ。道がかなり狭いと聞いていたので対向車に注意しながら進んでいきます。
行者還トンネルの手前に駐車場があり、車を停めます。駐車料金は乗用車1日1000円で、前日に入り車中泊の場合は1500円。駐車場には昼間は管理人さんが常駐しているみたい。
駐車場の停車台数は10数台ってところかな。トンネルのさらに手前にも駐車場があったので、満車の場合は常駐のおじさんに指示をあおげば問題ないと思いますよ。
プレハブの小屋には綺麗なトイレが完備されていて、お茶やスポーツドリンクなどの飲み物や、八経ヶ岳・弥山・大峰山の登山バッジが500円で販売されています。
行者還トンネル駐車場には登山靴やストックを洗う場所もあり、登山口として至れり尽くせりな感じ。
弥山登山口
8時に弥山登山口から登山開始。まずは世界遺産の大峯奥崖道に向かいます。
天気は快晴、絶好の登山日和だ。透明感のある水の流れる沢を、個性的で丈夫そうな造りの橋を渡っていきます。
結構な急坂が続いていきますが、地元のソロのお父さんは涼し気にどんどん登っていくんだよな~。体力が凄いよ。
奥崖道出合から聖宝ノ宿跡へ
ついに世界遺産の大峯奥崖道の稜線に出ました。
この時期は落葉しているので周囲の風景も見えて気持ちいい。奥崖道出合には、石でできた立派な道標もありました。
奥崖道出合から弥山までは2時間のコースタイムで、登山道はたくさんの修行僧が歩いているからか、非常に歩きやすく快適です。
しばらく歩くと岩がむき出しになっている石休場ノ宿跡、さらに弁天の森を通過。
弁天の森を過ぎた稜線から、進行方向に弥山と八経ヶ岳が見えてきました。
聖宝ノ宿跡に到着。平安時代には奥崖道の稜線に120ヶ所の宿があったそう。立派な理源大師の像が置かれています。京都の醍醐寺の開祖は理源大師とのこと。
奥には錫杖という遊行僧が持つことを許された杖が地面に刺さっている。遊行(ゆぎょう)とは、諸国をめぐり仏教を説き伝えていく修行のことで、遊行僧で有名な人物として空也上人や一遍上人などがいます。
理源大師像を過ぎたあたりから急坂になってきました。そして大峰山方面の稜線が見えてきた!
かなり険しそうな雰囲気だが、やはり大峯奥崖道は全て歩いてみようと思う。歩きたくなる稜線!
大台ヶ原方面の視界も開けてきたよ。最高の風景!
八経ヶ岳と弥山
弥山
弥山小屋に到着。シーズン終了なので小屋は営業していませんが、かなり立派な小屋ですね。手前の避難小屋はもちろん解放されていて、綺麗に整備されていました。
この先にある弥山や八経ヶ岳は奥崖道の道中で最も高い場所に位置しています。
鳥居をくぐり、まずは弥山の山頂を目指しましょう。
弥山神社
山頂の奥には天河神社の奥宮、弥山神社が祀られています。
やはり大峯修験者にとって弥山は特別な山で、修行中に見え隠れする弥山を見て、「人間が達する水平的な奥の極点ともいえる場」として捉え祈りを捧げるそうです。
世界観が深すぎたので、とりあえず弥山山頂でコーヒーブレイクにしました。甘いチョコを食べながらリフレッシュ。
弥山山頂は広くベンチもあり、南側の眺めが抜群で八経ヶ岳が良く見えます。
八経ヶ岳
弥山小屋に戻り、八剣山・前鬼と彫られた石柱の先を進みます。
近畿最高峰の山である八経ヶ岳は、八経ヶ岳という名称の他に「八剣山」や「仏教ヶ岳」という名称もあります。これを知らないと道標に惑わされるので注意が必要です。
八経ヶ岳へ向かい、オオヤマレンゲ群生ポイントを通過していきます。
鹿防止の柵が設置されていて、花のシーズンは気持ちいいんだろうな。
そして標高1914m、近畿地方の最高峰である八経ヶ岳の山頂に到着!弥山からは30分ほどの距離です。
南側は釈迦ヶ岳をはじめ、熊野方面の奥崖道の稜線も良く見えます。
東には大台ケ原山系、北を振り返れば弥山や行者還岳か。近畿の中心にいるような素晴らしい景観!。
八経ヶ岳の山頂には錫杖(しゃくじょう)が映えています。
八経ヶ岳から弥山に戻ります。
八経ヶ岳は鋭角な山容だが、弥山はなだらかに丸い感じで可愛い。山肌の漢字も色彩豊かで楽しい。
弥山神社で素晴らしい登山を経験させてくれたお礼をして、弥山を下ります。改めて弥山小屋の周辺を歩くが、本当に綺麗に整備されていて気持ちのいいところだと感じます。
国見八方覗とテント場
国見八方覗へ向かう途中にテント場があります。地面が芝生で快適に寝られそうなテント場ですが、スペースはあまりないから早めに場所を確保しないといけないかも。
テント場の先に国見八方覗があり、北側から南東まで遮るものもなく絶景が楽しめます。
弥山小屋から下山
国見八方覗から弥山小屋に戻り下山します。行きに残っていたコケ上の霜がまだ残っていました。
下山しながら吉野側の大峯奥崖道と東の大台ケ原を眺める。本当に贅沢なシチュエーションの中で歩けていることに感謝し、足元に気を付けながら歩を進めていきます。
理源大師の聖宝ノ宿跡を通過し、気持ちの良い大峯奥崖道を歩いて行きます。
奥崖道出合を弥山登山口方面へ。急坂だったので膝に注意しながらね。
下山途中、東の方角から野犬なのかわからないけど、何らかの獣のけたたましい鳴き声がしばらく続いて焦る。今回の山行で初めて緊張した瞬間でしたね。
大峯奥崖道から八経ヶ岳を満喫
そして無事に弥山の登山口駐車場に到着!朝に10台ほど停まっていた車もすべてなくなっていました。
じっくり大峯奥崖道と弥山・八経ヶ岳を堪能出来て、本当に大満足の1日でした~(^^♪