1日目 易老渡~聖平小屋
便ヶ島広場駐車場(0:45)⇒西沢渡(1:05)⇒ガレの上(1:45)⇒苔平(1:40)⇒薊畑(0:20)⇒聖平小屋
2日目 8時間50分
薊畑(0:30)⇒薊畑(1:00)⇒小聖岳(1:20)⇒聖岳(1:30)⇒薊畑(0:20)⇒聖平小屋(1:50)⇒南岳(0:55)⇒上河内岳(1:25)⇒茶臼小屋
芝沢ゲートの駐車場に車を停め聖岳へ出発。本来なら易老渡まで車で入る予定だったが、芝沢ゲートからはマイカー進入禁止だったため、コースタイムが1時間半プラス。まあ仕方ない…いや、仕方なくないな。とにかく歩くしかない。
地元のタクシーを利用すれば、この最初の林道歩きは省略できます。まあそこそこの値段はするので、山小屋のビール代のために頑張って歩くのもアリ。https://www.marumotaxi.com/1-c1y5e
芝沢ゲートから易老渡へ歩きます。常連さんなどは、折りたたみ自転車などでゲートから易老渡を走っている。なるほどって感じ。易老渡には自転車が10台ぐらい停まっていた。
易老渡から便ヶ島へ向かう。休業中の聖光小屋が見えてきた。便ヶ島広場で少し休憩、持参したオニギリを食べパワーチャージ。便ヶ島広場にある公衆電話がエディ対応で驚いた。
西沢渡のゴンドラ
便ヶ島広場から急坂を登りトンネルを抜け、西沢渡へ。150kg対応のゴンドラの渡しがある。看板には荷物専用と書いてあったが、川の水量が多い増水時はゴンドラを利用するそう。いちおう西沢にかかる橋を確認したが、橋が斜めっていて渡りずらそう。これが意外と腕にきた。ゴンドラの後は急坂を登る。腕を使い脚を使い、なかなかこたえる流れだった。イラモミ大木の小広場で休憩、そして苔平で休憩。こまめに休憩は重要。苔平からは上河内岳が見えた。
薊畑
聖岳と聖平小屋の分岐点になる薊畑に到着。周囲はガスがかかり景色は悪かったけど、晴れていれば上河内岳・茶臼岳・光岳の稜線が楽しめます。明日に期待して聖平小屋に向かいます。木道に出たら聖平小屋はもうすぐ。
聖平小屋
聖平小屋に到着。テント泊は予約制で定員はいっぱいだったが、沢を越えたエリアに空きがあったので無事テントを張れました。張ろうとする場所に近づいてきてなぜか煙草を吸いだすオバサンがいたのは謎だったな。まあ無事にベストポジションでテントを張れてひと安心。
聖平小屋のトイレはものすごく綺麗で驚きました。水洗トイレの便器は新しいままでピカピカ。これは汚しづらいトイレです。使用した紙は便器に流さず、備え付けのビニール袋に入れて各自持ち帰る。こういうシステムが環境美化につながるんだろう。水場は小屋の前とテント場の2か所。水が汲み放題なのは本当にうれしい。
この日は家から持参したトマトとレタス、無印良品のタコライスにしてみた。無印のタコライスは初めて食べたけど、辛みも程よく美味しかった。なによりレタスやトマトが瑞々しくて最高。山で野菜は使えるな。あとチャイブレンド。ミルクや砂糖なしで飲んだけど、スパイシーでなかなかでした。
2日目 聖岳~茶臼小屋
いよいよ聖岳に登ります。テント場にテントや重いものは置いたままなんで、昨日よりは楽に登れるかな。この日の天気は朝から晴れ。
昨日ガスがかかっていた薊畑に着くと、昨日見えなかった南アルプスの素晴らしい稜線と雲海が。最高の1日になりそうです。薊畑にはリュックをデポして登る人がほとんどですね。
小聖岳と前聖岳を見ながら山頂を目指し歩きます。右には富士山がデンと構えてる。後ろを振り返れば光岳や上河内岳の稜線。楽しすぎる。
小聖岳に到着。堂々としすぎな聖岳。なにげに兎岳も迫力ある山でカッコいい。兎がたくさん獲れたのだろうか。ガレた緑のヤセ尾根をどんどん歩く。そういえば朝食をろくに取ってないことに気が付いた。山頂直前で富士山の眺めが良い場所でおにぎりを食べる。活動前はしっかり栄養を摂ること。じゃないとトムラウシの時のようにバテるよ。
聖岳の山頂に到着
ついに来た南アルプス最南端の3000m峰、聖岳。東京からだと飯田側に回るのが遠さを感じ、なかなか行けない山だった。行動力は重要だ。考えすぎずとにかく動いてしまえば、自分の目標なんてほとんど叶う。グズグズと考えすぎるから動けなくなる。大事なことは、考えすぎず実行することだ。
聖岳山頂は人で賑わっているが、薊畑にリュックをデポしてる人が多く、大体5分から10分ぐらいで聖岳を後にしていった。私たちは貸し切り状態の聖岳山頂で温かいコーヒーを飲みながらのんびり朝ごはん。風もなく快適でした。
聖岳から赤石岳を眺めていると、今すぐにでも稜線を歩いて赤石荒川塩見とどんどん進みたくなってくる。ずっと遠く感じていた南アルプスの山々が目の前にある。聖岳からこの光景を目の当たりにすると、もう行けない場所はないんだなと感じる。どこにだって行ける。聖岳登頂は今後の自分達の登山人生において大きな意味を持つだろう。
南アルプスの上高地岳、茶臼岳、光岳の雄大な稜線を眺めながら、足元に気をつけて薊畑へ向かいます。小聖岳で聖岳を改めて眺める。最高。
聖平小屋で休憩
薊畑から聖平小屋へ戻る。夜露で濡れたテントもしっかり乾いている。
祐太が買ったばかりのサングラスがないと騒いでいる。頭にも首にもない。周囲にも落ちていない。無くしたら困る、どうしよう、と焦っているが、サングラスを装着しながら無い無い騒いでいた。まるでサングラスを着けていないような装着感。良い商品だ。
テントなどを聖平小屋にデポしていったが、やはり聖岳ピストンは堪えたのか疲労が溜まってきた。反省点として、糖質不足が考えられる。登山開始前は腹が減っていなくても、しっかり朝食で栄養を摂取することが大事だと感じる。自分は大丈夫でも、パートナーが大丈夫とは限らない。糖質をしっかり摂りアタックしたい。
疲労からいまいち元気が無くなった祐太だが、こまめな休憩と行動食を摂ったおかげで徐々に体力も回復。南岳山頂では完全にいつものペースに戻った。南岳山頂からの眺めも良かった。聖岳、赤石岳、塩見岳が連なって見える。この稜線を見てしまうと、早く縦走したくてウズウズしてくる。
上河内岳
上河内岳からの眺めを楽しみに歩いてきたが、山頂に近づくにつれ、あいにく雲の量が多くなってきた。分岐にデポして上河内岳の山頂へ。10分ぐらいお菓子を食べながら粘ったが、やはり雲に覆われ周囲の景色は堪能出来なかった。また次回の楽しみに残しておこう。
茶臼小屋
茶臼小屋に到着。テント場からは富士山が見える。テントスペースは番号がふられていて、隣の間隔もあいていてコロナ時期も安心して利用できる。ほとんどソロキャンパーで、静かな時間を過ごせた。水場や洗面場もあり、最近ヘリによる荷揚げがあったので飲み物も豊富にあった。憩いの場として寛ぐスペースもあり癒される。
今回隠し持ってきた缶ビールを茶臼小屋で見せると感激してくれた。しかしその直後に缶ビールを落として缶に穴が空き、中身が吹き出した。被害は最小限に済んだので問題は無かった。慌てさせるような事をしたので落としてしまったのだろう。
茶臼小屋で冷えたビールも購入した。冷えたビールとぬるいビールを飲み比べてみる。キンキンに冷えたビールも確かに美味いが、持参した温いビールは麦芽の味が際立ってさらに美味しく感じた。ドイツの人が温いビールを飲むと聞いた事があるが、なるほどこういう事なのかと納得。
茶臼小屋でのディナーは無印良品のエビクリームソース&アラビアータのペンネ。赤ワインも500ml隠し持っていったのでなかなかのディナーになった。エビのソースは少し濃いめ。まあ山での塩分補給にぴったり。バケットがあれば絶対に合うソースだと思う。