羅臼岳
木下小屋(1:50)⇒弥三吉水(1:00)⇒銀冷水(1:05)⇒羅臼平キャンプ場(1:00)⇒羅臼岳(0:45)⇒羅臼平キャンプ場
朝の知床横断道路の風景がまた良かった。北方領土側の海に雲が広がり、まさに雲海。北方領土が雲に浮かぶ幻想的な朝。知床ナンバーの車が早朝から元気なエンジン音と共に峠を越えていく。
昨日は雲がかかって見れなかった知床峠からの羅臼岳は、今日はバッチリ見えました。これからあの羅臼岳に登るのかと思うとワクワクしてくる。
登山口のある「ホテル地の涯」に到着。ホテル手前の道路で路駐絡みの事故があったからか、警官とホテル支配人が話しをしていた。駐車スペースがわからないので警官に訪ねると、地の涯の支配人がパーキングに停めても良いと。我々も結局この場所を借りているからみたいなことを言っていた。いずれにせよありがたい、支配人さんには感謝です。
木下小屋の上で知らずにヘビを踏み、それを見た祐子が声をあげる。付近で熊出没が多発しているため、その声に後続のグループが身構えるが、熊ではなく蛇だった。
小鳥が戯れているのかと思いきや、シマリスが一羽の小鳥を咥えながら傾斜を上がっていた。小鳥がなんとか脱出を試み逃げようとシマリスから離れるが、シマリスが逃げた小鳥を再度咥え、斜面をバックで上がっていった。シマリスが小鳥を仕留めるシーンを初めて見たので唖然とした。知床は様々な動物の生き様を見せてくれる。
雪渓の上りはなかなかハードでスピードが出ない。しかしここで様々な花々が出迎えてくれた。風は強かったけど、花に癒され雪渓を登っていく。
後ろを振り返るとオホーツクの海が広がる。ヒグマがいたのか観光名所なのか、遊覧船が岸の方へゆっくり近づいているのが見える。我々も気を引き締めて登りだす。
羅臼平キャンプ指定地
雪渓を登りしばらく歩くとキャンプ指定地に着いた。本日のテント場を確認。大雪山縦走時は見なかったフードロッカーを初めて見た。ここに野生のヒグマがいるということを改めて感じる。5分ほど大の字に寝転がり休憩。結構疲れた。
とりあえず指定地にテントを張らずに羅臼岳山頂を目指す。途中の岩清水が格別だった。チョロチョロと苔を伝って冷たく美味しい水が流れている。ペットボトルに汲むのに時間がかかるが、最高に美味しい水だった。
素晴らしすぎる羅臼岳の山頂
知床半島の羅臼岳山頂に到着!山頂は風が強かったが、永遠に見ていられそうな光景がそこにはあった。北方領土もすぐそこにある。次は必ず来いよと言わんばかりに斜里岳がにらみを利かせている。鋭角な山容がカッコいい。山頂からの光景は、本州の山では絶対に見られない素晴らしいものだった。
山頂には明朝の日の出を撮影するというお父さんが1人。今夜は羅臼岳山頂で夜を明かすそう。テント場は熊が怖いからとのこと。確かに山頂までは熊は来ないかもだけど、この強風の中で大丈夫なのだろうか。
外人男性と日本人女性?のカップルが後から登ってきた。彼女はかなり軽装だ。時間は14時半だから、これから登山口まで戻るとなるとなかなか大変そう。きっと彼がこの羅臼岳からの光景を彼女に見せてやりたかったのだろう。
羅臼岳からキャンプ指定地に戻ってきた。改めてテントを設営後、臭いを残さないためにテントから離れた場所で食事。見晴らしはいい場所だったので、熊におびえることなく羅臼岳やオホーツク海を堪能しながらの夕食。いい時間を過ごせた。
食べ終わった頃に近くで小鳥が鳴き出した。喉元が朱色で綺麗な鳥だ。夏季に繁殖のため飛来してくるノゴマという鳥だ。喉の赤から「日の丸」という俗称もある。
ノゴマが鳴きだした直後、食べていた2、3m先の藪からキタキツネがごそごそと現れた。やはり野生動物は鼻がいい。これキツネだからまだ良かったけど、ヒグマならアウトだな。知床では食べ物だけは慎重に済ませよう。ノゴマなど野鳥の鳴き声も何かの知らせなんだろうから、違和感のある鳴き声がした場合は周囲に注意していきたい。