大雪山縦走の3日目はカムイミンタラを体感するのがテーマ。しかし3日目のコースタイムは長いぞ~
トムラウシ山との対面
3日目の朝、天気は晴れ。早朝にテントから出た時の光景は衝撃的過ぎた。南側のはるか彼方にラスボスのようにそびえ立つトムラウシ山の姿を、今回の縦走で初めて確認できた。白雲岳キャンプ指定地から見たトムラウシ山は、旭岳や黒岳・白雲岳とはまた違う、圧倒的な存在感があった。大雪山縦走の最終目的地トムラウシ山。ここからあのトムラウシまで行くことを考えると胸が躍ってくる。この日の朝の風景は、自分の心に永遠に残るであろう素晴らしい光景だった。
大雪山縦走を実感
朝食を済ませ、白雲岳キャンプ指定地を後にする。快晴なので、高根ヶ原や忠別岳・トムラウシ山を見ながら歩くことになる。宿泊地のヒサゴ沼キャンプ指定地までは約16㎞で、なかなかのロングコースだ。平坦な登山道はヒグマの出没地域もあったりと油断は禁物。しかし北海道は広すぎる。だだっ広い光景に、北海道の規格外の雄大さを肌で感じながら高根ヶ原を歩く。左側の崖下には三笠新道が見える。空沼・高原沼・淵無し沼・えぞ沼など複数の沼が点在している。ヒグマ出没の確率が高い場所だそうで、歩きながらしばらく黒い影を探したが特に発見には至らなかった。
この日は天気が良く、後ろを振り返っては旭岳や白雲岳の写真を撮りながら歩く。アップダウンがほとんどないので、どこまでも歩いて行けるんではないかとこの時は思ったが、結局最後はバテバテになる。忠別岳が近づいてきた。左には石狩岳。ここも今度行ってみたい。
忠別沼と忠別岳
忠別岳の手前には忠別沼という小さく可愛い沼があり、エゾサンショウウオが生息している。黒く可愛い姿に癒された。エゾサンショウウオでリフレッシュした後は一気に登山道を登り、忠別岳の山頂に到着。忠別岳の山頂は、とにかく熱く感じたな。風もなく、太陽が近い感覚。休んでるのに体力を持っていかれるような気分になってきた。だいぶ疲労も溜まってきていたのだろう。
忠別岳で昼食を摂り、まだまだ元気に前へ進めるかなと思いきや、忠別岳避難小屋分岐あたりからだんだん疲れが蘇ってきた。力を振り絞り急坂をのぼり、五色岳の山頂に到着。少し雲がかかってきたが、五色ヶ原からのトムラウシ山がカッコいい。しばらくトムラウシ山を眺めていたが、トムラウシに雲がかかり見えなくなって来たところで先へ進む。
カムイミンタラ
五色岳からハイマツの登山道を抜けると、ついにカムイミンタラが現れた。神々の遊ぶ庭とも呼ばれ、チングルマでいっぱいの素晴らしい光景が目の前に広がっていた。祐太も大興奮で、写真を撮りまくって全然先に進めなくなってしまう。素晴らしい光景だ。天国をイメージするならどこ?と聞かれたらカムイミンタラを挙げたい。
しかしさすがにカムイミンタラの光景にも慣れてきて、そろそろ化雲岳に行きたいと思うが、祐太のカメラがいまだフル稼働。なんとか穏やかに説得して化雲岳の登山道を登っていくが、この登山道がまた強力なチングルマスポットという。
どんだけ咲いてるのか!もういいってばさ!諦めて祐太のペースに合わせることにした。
化雲岳
化雲岩が印象的な化雲岳を後にしてヒサゴ沼を目指す。ヒサゴ沼分岐からヒサゴ沼の木道もまさに神遊びの庭で、永遠にお花畑になっていた。ここでも写真を撮り続ける祐太だったが、さすがに疲れてきたのか途中で撮影を止め、ついにヒサゴ沼へ歩きだしてくれた。今夜のビールまであと少し!
ヒサゴ沼キャンプ指定地
ヒサゴ沼キャンプ指定地に到着。湖畔には2階建ての避難小屋もある。ヒサゴ沼の水場の水量は多めで冷たい。
白雲岳キャンプ指定地からの長い1日がようやく終わった。疲れもあったが、心に残る風景をたくさん感じられた1日だった。
大雪山縦走、テント泊最終日はプレミアムモルツで乾杯した。明日はいよいよトムラウシ山登頂だ。