吉野の観光地を抜けた先には、全く別の世界がありました。 人の気配が消え、静寂に包まれる大峯奥駈道。
今回は、吉野から二蔵宿でテント泊し、大天井ヶ岳や五番関を巡る1泊2日のルートを歩いてきました。
実際に歩いて感じたリアルな登山の様子とともに、コースタイムや注意点を詳しく紹介していきます!
大峯奥駈道とは
大峯奥駈道は、吉野から熊野へと続く修験道の修行道で、険しい山岳地帯を縦走するルートです。
現在でも山伏の修行の場として知られています。
このルートには女人結界(五番関)が存在します。
古くからの信仰と伝統が色濃く残っています。
今回歩いたのは、
吉野〜青根ヶ峰〜四寸岩山〜二蔵宿〜大天井ヶ岳〜五番関。
観光地・吉野山から一気に“修行の山”へと変わるのが特徴です。
今回の登山ルート概要
- 日程:1泊2日(テント泊)
- 総行動時間:約15時間
- 難易度:中級〜上級
- ルート:吉野起点(往復)
長時間行動に加え、エスケープルートが少ないため、体力と登山経験が求められるルートです。
吉野から二蔵宿コースタイム(1日目)
吉野駅から二蔵宿へ
吉野〜青根ヶ峰
まずスタートは近鉄吉野駅。朝7時の吉野は、そこまで人の混雑は感じません。これが桜のシーズンになったら大変だろうな^^;
吉野駅から奥千本展望台までは、登山道も整備されて問題なく奥千本まで進めます。
登山よりは観光要素が強め。気になる方はこちらをご覧ください♪
青根ヶ峰〜四寸岩山(本格登山)
奥千本展望台で休憩し、まずは青根ヶ峰へ出発。
旧女人結界石の横の階段を上ると青根ヶ峰の山頂ですが、眺めはいまいちで狭いです。狭いですが、結構この青根ヶ峰まで上ってくる人が多いので、早々に山頂を後にしました。
山頂でランチなどは不向きなので、休憩なら奥千本展望台がベスト!
青根ヶ峰を越えると、観光客もいなくなり、登山道らしい雰囲気に変わります。車道と山道を交互に歩くようにして、しばらく車道歩き。
展望は少なめですが、静かな山歩きを楽しめます。道標はしっかりしているため迷う心配はないでしょう。
四寸岩山へ向かう登山道はよく整備されていて歩きやすいものの、賑わいのある長い観光ルートを歩いてきた後なので、特に展望のない地味な道に気力と体力を削られます。
四寸岩山〜二蔵宿(静寂エリア)
四寸岩山の入口からは本格的な登山道になり、奥駈道らしい静寂が広がります。
あいかわらず展望はないけど、広々と歩きやすい登山道を登り、アップダウンを繰り返しながら、試み(心見)茶屋跡から守屋茶屋跡を越えていきます。
展望が開けてくれば、四寸岩山まであと少し!
四寸岩山から足摺宿
標高は1235mの四寸岩山の山頂は、ベンチやテーブルはないけど中広場みたいになっていてのんびり出来ます。
四寸岩山から15分ほどで足摺宿に到着。足摺宿の小屋の中を通り抜けるという、変則的な登山コース。土間のみの休憩小屋で、中には仏像が安置されていました。
足摺宿からヌタ場を通過し、鞍部にある百丁茶屋跡へ向かいます。初日のゴール地点の二蔵宿に到着。
二蔵宿(百丁茶屋跡)
二蔵宿はテント泊に適した場所で、トイレもあり快適な空間。静かで気持ち良く過ごせる貴重なポイントです。 避難小屋の二蔵宿小屋は使用不可なので、隅の方にテント泊。トイレもあり水場は二蔵宿から10分ほど歩いたところ。
誰もいない大峯奥駈道の二蔵宿に、静かで心地よい風が吹いてきます。不動明王と役行者に見守られながら、大峯奥駈道で1日を終えます。
桜井市のスーパー「ヤマト―」で仕入れたソーセージが美味しかった!旅先でいろんなスーパーの総菜を買うけど、ヤマト―は普通のスーパーに比べてかなり美味しいと思う。鶏の照り焼きも絶品でした!
二蔵宿から吉野コースタイム(2日目)
大天井ヶ岳から吉野へ
二蔵宿〜大天井ヶ岳
不動明王と役行者に挨拶を済ませ、早朝5時に二蔵宿を出発し大天井ヶ岳を目指します。
やはり登山は早めの出発がおすすめ。緩やかな登りが続きますが、途中に分岐もあるため注意が必要。
大天井ヶ岳
ビバークも出来そうな、眺めの良い小天井茶屋跡と大天井茶屋跡を越え、標高1439mの大天井ヶ岳の山頂に到着!
展望はそれほどでもないが、広々としていて気持ちの良い大天井ヶ岳の山頂。軽い朝ごはんを済ませ、早速五番関へと尾根を下っていきます。
五番関(女人結界)
五番関の広場に到着。大峯奥駈道を象徴する場所なだけに、やはりなんとなく雰囲気が違いますね。
この五番関から山上ヶ岳へは、宗教的な伝統に従い女性は進入禁止となります。独特の緊張感と神聖な空気を感じられます。
女人結界門の先には小さな祠があり、役行者と前鬼後鬼の石仏が祀られています。
ちなみに五番関の先は「油こぼし」や「鐘掛岩」と呼ばれる鎖場があり、断崖絶壁に紐で縛られ吊るされる恐怖の修行場「西覗岩」など、修行僧は様々な難関を突破しながら山上ヶ岳を目指して歩きます。
大峰山寺の手前にある湧出岳は、役行者が金剛蔵王権現を感得したとされる場所としても有名です。
様々な人々の思いや、聖なるパワーを秘めた女人結界エリア。安全に無事下山することを誓い、五番関を後にします。
近畿自然歩道
五番関からは大天井ヶ岳のまき道、「近畿自然歩道」を使って帰ることにしました。
奥千本では崩落箇所があるとの情報があったので、近畿自然歩道は通れないかなと思っていたんですが、百丁茶屋跡側にも五番関側にも、新道の通行止めに関する記載がなかったので進みました。
たしかに崩落個所はありましたが、特に問題なく通行できました。登山前には最新の情報でルートチェックを忘れずに!
近畿自然歩道は途中に水場もあり、気持ち良い登山道です。ただしルートはやや不明瞭な箇所もあるため、地図アプリやGPSの併用をおすすめします。
二蔵宿から奥千本へ
二蔵宿に戻り昼食を食べ、大峯奥駈道を吉野へ戻ります。
四寸岩山で1人とすれ違っただけで、奥千本までは誰とも会わずに、最高の天気の中で大峯奥駈道を満喫できました。
今回の大峯奥駈道テント泊は、全体を通して、前半は観光要素の強いハイク、後半は静かな山岳ルートと、変化に富んだコースで楽しかったです。
行動時間が長くなるため、日帰りではなく今回のように1泊行程で余裕を持って歩くのが安心。
登山客が少ないコースなので、熊などの野生動物への対策も怠らないよう、十分に気を付けながら自然を満喫してくださいね(^^♪
難易度・危険箇所
- 難易度:中級(体力必要)
- 行動時間:1日目 約6時間/2日目 約9時間
- エスケープルートが少ない
- 崩落箇所・未整備区間あり
- 点線ルートあり(五番関周辺)
- 水場:二蔵宿付近のみ(要事前確認)
- 危険箇所:五番関~二蔵宿の新道
軽いハイキングではなく、しっかりとした登山計画が必要なルートです。
テント泊・水場情報(二蔵宿)
- テント設営:可能
- トイレ:あり
- 水場:徒歩約10分
大峯奥駈道の中でも貴重な安定した幕営地で、静かな環境が魅力です。
紙地図とGPSの併用が安全です。
まとめ|大峯奥駈道はこんな人におすすめ
- 静かな縦走を楽しみたい人
- 修験道の雰囲気を体験したい人
- テント泊登山に慣れている人
吉野の観光地から始まり、人の少ない静かな山域へと変化していく流れが魅力のルート。特に二蔵宿周辺の静けさは格別で、大峯奥駈道の本質を感じられる登山でした。











